でもやっぱりすき

 

 

 

 

 

 

 

「俺・・もうちぃ兄の事好きになんのやめる」

 

 

 

 

 

朝っぱらから(しかも歯を磨いてる洗面所でだ)

弟であり、

それなのに毎日毎日飽きるほどに俺に

「ちぃ兄が好きだよ」

と言っている魁が、今朝はこんなことを言ってきた。

毎日スキスキスキスキスキ、そんなことばっかり言われていたから

それはなんとなく新鮮な感じさえした。

その真意を汲み取ろうと、歯ブラシを銜えたまま

俺より少しだけ(ほんとに少しだけだ!)上にあって、

でも俯いている魁の顔を間近で覗き込んでやった。

すると魁は弾き飛ばされたかのように、

驚いたように俺の目を見て3メートルくらい後ろに飛んだ。

その時の魁の顔といったら、ユデダコみたいに真っ赤で

しかも口元を手の甲で覆っている様は

どう見たって顔に出やすい弟の、

好きな奴に対する反応だってことなんて自慢じゃないけど言わなくたってすぐわかる。

心の中の声だってわかる。

(ちぃ兄可愛い、超可愛い、どうしよう、押し倒したい、可愛い、可愛い!!!)

ってなとこだ・・・って別に頭がおかしくなったわけじゃあない。

こいつがいつもそう言うから、だからだ。

別に自分で自分が可愛いなんて思ったことなんか一度だって無い。

でも、魁はよほど悪趣味らしく(自分で言うのも切ないが)

俺の顔が随分お気に入りらしい。

いや、この自分ではかなりひねくれてると思われる性格や

その他もろもろ・・が魁いわくひっくるめて全部

『大っっっっスキ〜!!!』

らしい・・んだけど・・・・・・・・・・・。

 

「ちぃ兄の事、もうほんとに諦めるんだってば!」

 

なんか凄くムキになってないか?

なんだ、どうしたんだ、こいつ。

「ふぅん、じゃあ俺がもう誰と付き合おうと文句言わないんだな」

「い、言わない」

「兄貴と一緒に寝てもいいんだな」

「え・・っ!じゃなくて・・い、いいよ別に〜」

「お風呂とか、一緒に入っちゃおうかなぁ〜」

「それは駄目!」

「・・・・・・・・・魁」

「・・・・もー・・ちぃ兄の馬鹿!」

「な・・っ」

うわーん!と言いながら魁は洗面所から走って逃げていった。

なんなんだあのガキは・・・。

俺は首を傾げながらもいつもの魁の気まぐれだろうと特に気にすることはなかった。

 

 

 

夕方、魁は学校から帰ってくるなり

「やっぱり、ちぃ兄のことなんか・・嫌いなの!」

と、家で大人しく勉強をしていた俺に大声で言い放った。

俺はしばらく魁の顔をじーっと見て・・・

じーっと見て・・やっと何の話かを思い出した。

「まだ今朝の話の続きか?」

「そうだよ!俺はもーほんとにほんとにちぃ兄のこと、スキじゃないから!」

まるで子供みたいに拳をぎゅっと握って、顔を赤くしながらそう言う魁に

俺は立ち上がって魁に一歩ずつ近づいていく。

「で・・・?」

「で、って何だよ・・?」

「なーに、企んでるんだ?」

「な・・・・っ!!!!」

やーっぱり、図星。

こいつったら、わかりやすい。

「何も企んでなんかないもん!」

「ふうん?」

そう言いながら、魁のほんとにすぐ近くまでいって、

アゴに指をかけてくい、と持ち上げてやる。

そして、上目遣いで

「今なら、ちゅーしてもいいぜ?魁」

と、言ってみる。

オプションでペロリと舌を出し自分の唇を舐めてみた。

いっつも

『ちゅーさせて、すっごいの!させてさせてー!』

なんてしつこいくらい言ってくるちゅー魔人の魁だ。

こんなこと言ったらすぐに飛びついてくるはず、なのに

今日の魁はすっごい顔だったけど、それでも

「う・・・っ!!!!!!!!!」

と唸りながらうずくまってしまう。

「どしたー魁、しないのか?したくないならしなくてもいいんだぞ」

「う、うるひゃい・・・」

唇をかみ締めているからうまくしゃべれて無い魁が、こっちを見ずにまだうずくまってる。

少し前かがみな様子から、その原因だって今の様子だってわかるけど。

「・・若いねぇ」

少し呆れ気味に呟けば、魁は憎憎しげに俺を睨んできた。

「人の気もしらないでぇ〜!!!」

「へぇ?どんな気だよ」

「・・・・・・っ」

言葉に詰まってじりじりと後ずさりする魁に、

俺はにっこりと笑顔を作って

「べろちゅーしても今なら怒らないぞ」

そう優しく言ってやったのに

「うう・・っ、く、悔しい・・・っ」

また呻きながら魁は変な格好でひょこひょこと俺の前から逃げていった。

「もったいないなぁ、魁」

俺は唇に指を当ててそう思わず呟いた。

 

 

 

 

そして夕食。

また兄貴が変なサラダを出してきたけれど、そんなのは問題じゃない。

「魁」

いつもなら、

『ちぃ兄食べさせてー、俺も食べさせてあげるからぁ!』

とか煩い魁に

今日は俺が自分から食べさせてあげるから、と

スプーンを魁の口元に差し出してやってるのに魁は

「い、いらない・・」

の一点張りだ。

なんだこいつ、ホントに今日は変だな。

「しかもコレ、俺の食べかけだぞ」

「マジで?!・・・・じゃなくて・・!いらないってば」

「じゃあ兄貴、あーん」

「お、翼、どうしたんだ?じゃあ遠慮なく・・・・」

「だ、駄目!」

兄貴が食いつこうとしたスプーンを、魁が凄い勢いで払った。

当たり前ながらスプーンは俺の手から落ちてしまう。

「こら魁!食べ物を粗末にしない!」

「ちぃ姉、だってちぃ兄がぁ〜」

「魁、何か文句言う気?」

「・・・・・ごめんなさい」

しょぼん、となりながら魁がじとーっとした目つきで俺を見るけれど俺は気にしない。

それどころか、第二段としてスプーンに

魁の大好きなものを載せて差し出そうとしたのに魁は急いで

「ごちそうさまっ!!!」

と言い残し自分の部屋に逃げていった。

くそ、結局訳がわからないままだ。

一体魁は何を企んでいるのだろうか?

 

 

 

 

「魁ちゃん、お風呂入らない?」

魁の部屋のドアをコンコン、と叩いて

少しだけ芳姉の声を真似してそう言えば

『ちぃ兄お風呂!俺と一緒にお風呂入ろう!変なことしないからぁ〜』

とか言って絶対変なことしてくるんだよな、コイツ・・じゃなくて。

いつもならそんな感じの魁は、今日はやっぱり

「は・い・ら・な・い!!!」

とかわざわざ区切って言ってきた。

なんだよこれじゃあいつもと逆だ。

他の兄姉も

『なんだ、今日は珍しく翼が魁に構ってるな』

『どうしたの翼ちゃん、なんか魁ちゃんみたい』

『翼、やっと魁に優しくなったのね』

ほろり、と泣きまねをしたうら姉に慌ててそれを否定したのはついさっきのことだ。

やっぱりおかしいよなぁ、こんなの。

「魁―とにかく出て来いよ、俺をこんなとこにいつまでも居させる気か?」

「・・・・」

あの野郎、無言ときたか。

こうなったら・・・

「・・・・・魁、寒い。風邪ひきそう」

なんて凄いちっちゃい声で言ってみれば

部屋の中からドタドタと慌てたような音がしたと思ったと同時に

目の前のドアが素早く開いて魁のしまった、というような顔が目の前にあった。

腕を組んで少し冷えた目で見れば、

魁はバツが悪そうな顔をして

「とにかく入れよ、寒いんだろ」

なんて言いながら俺の腕を引っ張って自分の部屋に入れた。

 

 

 

 

「で、魁。何企んでるんだ?」

「・・・・・」

そしてまた無言。

ほんとに変なとこばかり頑固なんだから。

仕方ない。

どうしても魁が変な訳が知りたい俺はとうとう最後の手段に出る。

着ているYシャツのボタンをぷち、ぷち、と外した。

肌蹴た胸元に、幾分か温まった部屋の空気が肌寒く感じられた。

「魁」

振り返ろうとしない魁の名を、もう一度呼んでみる。

「魁」

「・・・なに」

「魁、こっち向けよ」

「やだ、ちぃ兄今日変だもん」

「変なのはお前だ。嫌だったらお前いつもみたいになれよ、今日どうしたんだ」

「・・・なんでもないったら」

「魁ってば・・」

とうとう焦れた俺は、無理やり魁の腕を掴んで自分の方を向かせた。

すると俺の格好を見た魁はそれだけで一気に顔を赤らめて目を逸らす。

「ちぃ兄・・駄目、だって、」

そう言いながら魁は目線も合わせずに肌蹴た俺のYシャツを肌が見えないように閉じた。

なんか女の子にするみたいな仕草に、ついこっちのほうが驚いちゃったけれど。

「魁、いいよ」

「・・え」

「魁、今日だけは何してもいいから」

「何言ってるの・・いつも凄く嫌がるくせに」

「魁、俺がいいって言ってるのに。何なんだよ、一体」

俺はまた、必殺技を繰り出す。

弟のことなんか、俺にはお見通し。

どんな顔に弱いか、

どんな台詞に弱いか、

――――――――どんなに我慢がきかなく堪え性がないのか、とか。

「魁、俺さぁ」

「な・・に?」

「兄貴が好き」

「は?」

「兄貴が好き、って言った」

「俺よりも?」

「そう、兄貴が凄く好き」

「・・ほ、ほんとに?」

「お前よりも、兄貴が好き」

そう言いながら、やっぱり少しだけ背の高い魁を

アゴを引いて上目使いで見詰めてみる。

そうして、魁の手をそっと握って

 

「悔しかったら、お前を・・好きにさせてみろよ」

 

そう言った瞬間に、目の前が大きく揺らいだ。

揺らいだのじゃなく、押し倒されて景色が変わったのだ。

倒された瞬間どっかに頭をぶつけるかと心配したけれど、

魁は器用にも俺の頭を腕で支えていた。

いつのまにこんなの覚えてくるんだろ、こいつ。

「ちぃ兄・・っ」

本当に性急に俺の体を押さえつけて、服を脱がして。

少し息の荒いまま、魁は俺の手首を

強い力で握って床に押し付け、首筋に思い切り吸い付いた。

そしてどんどん下へ。

テクニックも何も無い、ただ若さだけが取りえな愛撫だけど

でも、それでもなんか心地よかった。

「魁・・っ・・・魁、・・・っあ・・」

魁の手が俺の胸の辺りをまさぐって、思わず変な声が出た。

それに気が付いた魁は、少し得意げに俺の目をじっと見詰める。

いつもならキスから始まるのに、今日はまだだな、なんてことを思っていると

魁も同じ事を思ったのか、俺の頬に手首を掴んで無い方の手を添えた。

そうしてまたじーっと俺と真剣な瞳で目を合わせてくる。

うわ、なんかいきなり照れてきた。

俺から誘って、俺から仕掛けたなんて、考えただけで恥ずかしい。

「ちーに・・・じゃなくて・・・、翼・・・」

「・・・・っ」

「ツバサ」

かあぁ、と顔が赤くなるのが自分でもわかる。

名前呼ばれただけで!

弟に名前呼ばれただけなのに!

魁の唇がゆっくりと降りてきて、恥ずかしさに目をぎゅっと瞑った。

「・・可愛い」

耳元でそんなことを流し込まれれば、もうどうにも照れて

魁の服をぎゅっと握って耐えてみる。

でも、なかなか魁の唇は触れてこなくて。

どうしたのかと、うっすらと目を開けていけば

魁の困ったような顔があった。

魁は俺の額にほんとに綿毛みたいなキスをして、突然

「あ゛―――――――――!!!!!」

と言いながら自分の頭をがしゃがしゃと掻きむしった。

「もう、ちぃ兄可愛すぎて好き過ぎて駄目だぁ!!!」

「・・・魁?」

「どうして、嘘でも嫌いになれないの?この人のこと」

魁はなんか変なことを自問しながら、俺の髪をさらりと撫でた。

「嘘って・・・?」

「・・・わかんないの?」

「わかんねーから、聞いてるんだよさっきから」

「・・・今日は何の日?」

「今日って・・4月1日?」

「何の日だ」

「・・・・・・・?」

「ここまで言ってもわかんないの?」

「・・・・・」

「エイプリルフール、だよ」

「あ」

そうだ、そういえば。

そんな行事有効活用なんて中々しないからわかんなかった。

だから、魁は嘘ついて・・・嘘ついて・・・・・・・・・?

「だからって何で嘘つくんだ?」

「嘘ついて、嫌いだって言えば・・少しは気にしてくれるかなって・・」

「ああ、なるほど」

っていうことは、俺はまんまとその策略にはまってしまったってわけだ。

気にして、ちょっかいかけて、とうとうこんなことまでしちまった。

「でも、今日一日は嘘を突き通すつもりだったんだ。

っていうかそれくらい簡単だろって思ってたのに、ちぃ兄が・・」

「俺がいろいろするから、我慢ができなくなって」

「そう、で・・ばらしちゃったよ・・・。あーもう!」

なんか凄くすっきりした。

魁はまぁ作戦失敗で残念だろうけれど、こいつのこの堪え性のなさが悪いんだと思う。

俺はもう問題が解決したから、よし、と起き上がろうとしたけれどうまくいかない。

ああ、それは当たり前だ。

魁が俺の手首を片手で二つまとめて頭の上に押さえつけてるし

しかも自分の体重で俺の動きを奪っているから。

「魁、どけよ」

「ちょ、ちょっと・・自分から誘っておいてそれは無いんじゃないの?」

「誘ってない!」

「誘ったじゃん、何してもいいって言ったじゃん!」

「それはまぁその言葉の・・アヤで」

「いやいやいや、そんなの酷い。

この押さえられないモノはどうすれば!」

「・・・・お前生々しい!」

魁が自分の股間を指差して言うものだから、こっちまで恥ずかしくなった。

「いいじゃんここまでこれば一緒だって、最後までなんかすぐだって」

「・・・最後まで、なんて軽く言うんじゃない!こっちは大変なんだ」

「っていうか別にちぃ兄が嫌でも俺は無理やりできるんだよ、この状況なら!」

「は?お前男として最低だ!そういうのゴウカンっていうんだぞ!」

「ゴウカンじゃないよ、ドウイだよ」

「変な言葉ばっかり知ってるなぁお前馬鹿の癖に」

「ひっどい!ちぃ兄だってさぁ・・・」

そこまで言ってから、魁はふとキョトン、とした顔をした。

「そういえばちぃ兄さぁ、さっき名前呼んだらなんか変だったよね」

俺はその言葉にギク、と身を強張らせた。

やばい、そんなの知られたら恥ずかしすぎる。

名前で呼ばれたのであんなに照れて、恥ずかしくなって、興奮しただなんて言えない・・!

「ねぇ、ちぃ兄」

「は?」

「・・・ツバサ」

「・・っ魁!それは・・!」

「ツバサ」

「・・・・・っ」

「・・・ツバサ」

甘い声で、優しく優しくそう呟かれて、俺は何にも言えなくなってしまう。

しかも俺を見る魁の目はいつもの魁からは想像できないくらいにホントに穏やかで優しくて

その瞳が、ゆっくり近づいてきても俺は抵抗すらできなかった。

「・・ツバサ」

「・・・っ、魁」

「ツバサ」

「・・か、い」

「ツバサ」

「魁」

思わず目を瞑れば、唇にそっと魁の唇が触れる。

上唇を魁が優しく噛み、そして舌で下唇をなぞった。

ぞくぞくとした快感が背中を勢いよく突き抜けた。

「か・・・い・・っ」

「ツバサ・・」

「ん、っふ・・」

俺からもふいに甘い喘ぎが漏れる。

って違う違う違う!!!

流される!

「ちょ・・魁、駄目」

「煩い」

「んん!」

開いた口に深く魁が口づけしてきて、何も言えない。

でも、駄目なもんは駄目!

口の中にある魁の舌を、少し強いくらい噛んだ。

すると驚いた魁は、その身をわずかに引いて

その隙をついて俺は魁の下から素早く抜け出した。

「あー!ちぃ兄!待てー」

「駄目だっつの!危ない危ない・・」

「いいじゃん!もう!」

「うっさい!」

これ以上ごちゃごちゃ言われて堪るかと、俺は急いで魁の部屋から出ようとする。

「気持ちよかっただろ〜、ちぃ兄」

そんな俺に後ろからそう声をかけてきた魁を、一睨みして。

 

「気持ちよくなんか・・ない」

 

そんな嘘を、一つ。

お前にドキドキしたなんて死んでも言ってやらないけれど。

でも、でも。

「魁」

「へ?」

呼べば、間抜けな面でこっちを向いた魁に振り返らないまま

 

 

 

 

 

「俺・・・お前が好きだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

ええええ!!!!!!って、ちょっと一拍おいてから

でっかい声で叫んだ魁の顔はきっとホントに苺見たく真っ赤だろう。

嬉しくて嬉しくて仕方の無い顔をしてるのなんか振り返らなくたってわかる。

でもな、でもな、魁。

俺は仕返しは3倍返しにして返す主義なんだ。

しばらくして、俺は顔だけ振り返って背中越しに笑いながら言う。

 

 

 

「うっそ」

「へ?」

 

 

 

呆然としている魁に、俺はさっきの仕返しとばかりに意地の悪い笑みを浮かべたまま

「バカ魁、今日は何の日だっけ?」

「・・・・・・・・・・・・・・嘘だぁ〜・・」

がっかりして、がっくりと肩を落とす魁にまた笑って。

「じゃあな、嘘つき君」

「・・それちぃ兄の方だろ〜・・・」

バタン、と戸を閉めたあとで俺はやっと顔の赤くなるのをやっと解放した。

俺の顔はきっと真っ赤だ。

だって、なにせ。

 

 

 

 

「もう12時過ぎてるのなんて・・気付かないんだろうな、あのバカ魁は・・」

 

 

 

 

バカ、もう一度繰り返して、俺は魁の部屋の戸に背中を預けて思わず俯くけど。

明日はきっと、また普通の毎日だ。

そう一人呟いて、自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

の、はずだったんだけど。

「魁、どうした?なんでコレ食べないんだ?」

「いつもなら朝食人一倍食べるくせに〜」

「どうしちゃったの、魁」

その質問に、魁はやたらと子悪魔風な顔で俺を見て

 

 

 

「・・・ちょっと、ね」

 

 

 

そう、にやりと笑うもんだから

昨日俺が舌を噛んで、ご飯が食べれないんだということを魁は目で訴えてるんだ。

もう恥ずかしくて悔しくてやってらんない。

 

 

「か、魁・・・・・・・っ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

勝ったつもりでも、まだ勝てない。

でも負けたと思っても、勝ってたり。

こいつは、やっぱり・・俺にとって、特別な存在。

 

 

 

「『ツ・バ・サ』、お醤油とってv」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!ぶっ殺す!」

 

 

 

仕返しが3倍返しなとことか。

その意地悪い笑みがどこか俺に似てるとことか。

変なとこばっかり似ててむかつく。

やっぱり好きなんかじゃない!

こいつはやっぱ弟、弟だ!

憎たらしい、俺の弟だ。

好きなんかじゃ・・ないんだ。

「バカ魁!!!!!!!お前なんか・・大嫌いだ!!!」

好きじゃあ、ない。

でも、・・でも。

 

「俺は・・・ちぃ兄、大好きだよ」

 

そんな笑顔を向けられると。

こんな気持ち、嘘だって誤魔化せればいいのに。

 

やっぱり。

でも、やっぱり・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あとがき>

最後まで何とかしてお題の題名を使いたかったから

いろいろ増やしていくうちにおまけだけが題名の内容に沿ってしまった。

やっぱり、に続く内容はお題の題名です。

なんかごめんなさい。いろいろすいません。

最後は負けっぱなしのツバサちゃん。

前半はずっと押してたんだけれどねぇ?

エイプリルフールネタでした。

最後まで実はわかって欲しくなくて(いやでもわかるだろうよ)

どこにもエイプリルネタって書いてなくてごめんなさい。

はじめて書いたよこんなん。時期モノなんて。

どうなのだろうかこれは。訳分かりますか?許されますかー!(笑)

もう魁も翼もどっちも可愛いってことが伝わればいいんです。

それでいいんです・・伝わりましたか?(笑)

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