「卑弥呼、それなんだ?」

昼のホンキートンク。

買い物でその場にいない銀次を除いた

蛮、士度、花月といういつものメンバーは、

少し遅れて現れた卑弥呼が持っていた小瓶に目を止めた。

小さい瓶の中にはピンク色の粉がある。

「あ、これ?新しく開発したのよ。試してみる?」

「なんか怪しいな・・・何の効果があるんだよ?」

「ふふ・・・これはね、何と恋惚香よ!

コレを嗅ぐと最初に見た人間にたちまち恋をしてしまうの」

「な、なんだと?!・・・俺にくれ!!!」

「あっ!ずるいですよ美堂くん!

卑弥呼さん、僕にも下さい!」

「オイ!俺にもよこせ!」

「な、何よあんた達!・・・はは〜ん、天野銀次に飲ませるつもりね。

・・・いいわよ、じゃ試供品として1つだけ置いてってあげるvだからちゃんと結果教えてね。あんた達、私に感謝しなさいよ?」

そう言いながら卑弥呼はテーブルの上に1つコトンとその瓶を置いて店を出て行った。

「・・・・・・1つ?」

波児のその言葉を合図にハイエナの如く3人がその瓶に飛びかかった。

「俺のだ!」

「僕のです!

「てめぇらに渡すわけにはいかねぇ!」

入り乱れて瓶を取り合う3人に、波児がため息をついたとき

不意に店のドアが開いた。

「こんにちは、みなさん」

「げ!ジャッカル!」

「おや?銀次くんがいませんね・・・。折角いいものを持ってきたのに。

ところで・・何を騒いでるんです?」

瓶をめぐる戦いに夢中でジャッカルの存在に気づいてない3人の所へ

ジャッカルは薄く笑いながら歩み寄った。

「よーこーせ!!!」

「貴方こそ離しなさい!」

「俺が貰うんだ!」

「ちょっと君たち、この私を無視するとは一体・・・」

ジャッカルが3人に声をかけようとした瞬間、もみ合っていた3人の手から

瓶がスポッと抜けてジャッカルの手の中へ飛び込んだ。

「うわ!ジャッカル!」

「何でココへ?」

「いつからいたんだ?!」

「何ですか?この瓶は?」

「げ!!!ジャッカル!フタを開けるな!」

「おとなしく・・・僕に渡してください」

「いいや!俺に渡せ!」

「クス・・・開けるなと言われて開けないバカがどこにいるんですか」

瓶を奪おうとする3人をかわしてジャッカルはフタを開けた。

その途端4人はピンク色の空気に包まれる。

そしてついお互いに顔を見合わせてしまった。

「なんてかわいらしいんでしょう美堂君!」

「おい蛇ヤロー・・・おまえのこと今まで勘違いしてたみたいだ、すまん」

「クス、美堂くん。今までの事は水に流して私とお付き合いしてください」

「ドクタージャッカル!美堂君とお付き合いするのは僕です!」

「なんだと!俺なんかいつも喧嘩して愛を深めてるんだ!付き合うのは俺だ」

「私だって喧嘩なんていつもしてますよ。それどころか殺し合いまで・・・。

美堂くんと付き合うべきなのは私です」

どうやら花月、士度、ジャッカルの3人は蛮に恋してしまったようだ。

そして蛮は・・・。

「ジャッカル・・・俺・・・・・あんたが、いい」

どうやら蛮はジャッカルに恋してしまったらしい。

少し顔をそらしながら蛮はジャッカルの側に進む。

「美堂君!なんでそんな男を選ぶのですか!」

「俺じゃダメなのかよ!」

「美堂くん、やっとわかってくれましたか。

それではどこか二人でまいりましょう」

「あぁ・・・でも俺あんたの顔がみれねぇ。ドキドキする・・・」

「なんてかわいらしい・・・。食べてしまいたいくらいですよ・・・」

「ジャッカル・・・」

二人が手を取り合って見つめ合っているところへ、ちょうどよく銀次が帰ってきた。

「ただいま〜!・・・あれ?皆、何してるの?」

「銀次!」

「銀次くん・・・!」

「おぉ、お帰り銀次。悪かったな買い物頼んで。暑かっただろ、水でも飲め、ホラ」

「ん、ありがと。そ、それより!蛮ちゃん何で赤屍さんと手なんか握り合ってるの?!

いつの間にそんな仲良くなっちゃって・・・」

「銀次、すまん。俺こいつが・・・」

「銀次くん・・・美堂くんは今日から私のものです」

「・・・・はぁ?!!!」

「ジャッカル・・・俺で、いいのか?」

「何をおっしゃられるのですか。私はもうあなたを離しませんよ」

「え、え〜と・・・コレは一体・・・?」

「ジャッカル、俺だってもうあんたを・・・一生離さねぇ・・・!」

「嬉しいです・・・何があっても君の側にいますから」

「もしも〜し?蛮ちゃん?」

「というわけだから、銀次。俺たちはもう解散だ」

「すいませんね、銀次くん。彼はいただきましたよ」

「え・・・ちょっと待ってよ!

蛮ちゃんのパートナーは俺だけでしょ?何でそんな・・・」

「もう決めたんだよ、俺」

「そうです。申し訳ありませんがもう引いていただけますか?」

「・・・ヤダよ蛮ちゃん!俺たちずっと一緒だって誓ったじゃない!

蛮ちゃんだって俺のこと愛してるって言ったよね?世界中誰より俺のこと好きだって!

お前のことは一生俺が守ってやるって!そう言ったじゃない!」

「・・・それは昔の事だ。今はこいつしか・・・・」

「蛮ちゃん・・・じゃああの二人で過ごした夜はどうなるの?

沢山キスだってしたし、その度に蛮ちゃん俺の事抱きしめて

もう他の奴なんて愛せないって囁いたじゃない・・・それも、もう昔の事?」

「・・・・・・そうだ」

「・・・蛮ちゃんのバカぁ!!!!」

銀次は半泣きになりながらも先ほど波児から貰った水の入ったコップで蛮に水をかけた。

「うわ!」

「もう知らない!俺、出てくから!」

「・・・ん?俺、いままで一体・・・?

あ!!!恋惚香で!銀次、待て!今までのは全部誤解だ!」

「え?・・・蛮ちゃん、どういうこと?」

「説明すると長くなるから、省くけどよ・・・。

俺が言ったことは全部嘘だから!な、俺を信じろ!」

「・・・わかった。嘘なんだね?よかった〜v」

「銀次・・・悪かったな」

「ううん、いいよ。俺、蛮ちゃんの事信じてたし」

「銀次・・・」

どうやら水で毒香水の効果が切れて正気になり、

なんとか一件落着したらしい二人に波児は一安心した。

それと同時にさっきの銀次の言葉が思い出されてきた。

あのときは流して聞いてたけどよく考えれば聞き流せない言葉が多々ある。

波児と夏美は顔を見合わせてにや、とほくそえんだ。

「『世界中誰より銀次が好き』なんて言ったのか〜?蛮」

「げ、波児・・・!」

「『お前のことは一生俺が守ってやる』なんて言われてみたいです〜v」

「な、夏美まで!」

「『もう他の奴なんて愛せない』か。かっこいいじゃねぇか、蛮」

「だ〜!!!!うっせ!行くぞ銀次!」

顔を少し赤くして逃げるように店を出ようとする蛮に、背後から声がかけられた。

「美堂くん、どこへいかれるんですか?

「うわ!ジャッカル!」

「美堂君、僕とのこともう一回考え直してください!」

「オイ蛇!なんで俺じゃだめなんだ?!」

「こいつら怖っ・・・。そうだ!こいつら俺が好きなんだったな。よし・・・。

オイ、てめぇら!俺がてめぇらと付き合うためにはこの銀次の許可が必要だ」

「なんですって?」

「だから俺はこいつにお伺いをたててくるから、おとなしくここで待ってろよ?

帰ってきたらちゃんとおめぇらの中の誰を選ぶかもう一度考えるから」

「おう!わかった」

「あぁ、そうだ。俺は浮気もんが嫌いなんだ。

てめぇらもう銀次には手をださねぇよな?俺だけでいいって言ってくれる奴好きだぜ?」

「もちろん!君一筋です!」

「クス、私だって美堂くんだけを愛してます」

「俺もだ!銀次は仲間として好きなだけだ。

お前だけに俺の愛を誓う!

「よぉし、今の言葉ちゃんと聞いたぞ。携帯で録音もしといたから。

じゃな、いい子にしてろよ?」

「クス、わかってますよ」

迷惑顔の波児に片手を挙げて3人を託し、

蛮と銀次は車に乗り込んでホンキートンクを後にした。

 

「蛮ちゃん、一体何がどうなってんの?」

「・・・お前は知らなくていいんだよ。

なんか大変な目にあったぜ。ま、収穫はあったけどな・・・。

それより、嘘でも解散なんて言って・・・」

「そんなこと気にしてないよ。蛮ちゃんが本気でそんなこと言うはず無いもの。

そ・れ・よ・りvvv見てコレ!」

「あぁ?」

銀次がポケットから取り出したもの、それは紛れも無いあの恋惚香だった。

「あー!!!な、なんでお前がこれを?!」

「落ちてたから拾ってきたの〜!おいしそうでしょ?たべてみよ〜!!!」

「ま、待て銀次!開けるな!!!」

さっきまでの恐ろしい光景を思い出して蛮はとっさに銀次を止めた、が遅かった。

「いっただきま〜す!」

ぱか!

瓶のフタが開き、さっきと同じように二人はピンク色の空気に覆われて、

思い切り恋惚香を吸ってしまった。

しばらくしてピンクのモヤが晴れ、周りが見えるようになって蛮と銀次は顔を見合わせた。

銀次の大きな目とか白い肌とかに蛮は欲情を抑えられなくなる。

蛮の綺麗な瞳や整った顔に銀次は見惚れてしまう。

ただ・・・それはいつもと同じだった。

「蛮ちゃん・・・これ一体何?

いい匂いがするだけで味しないし。変なの・・・」

「銀次・・・、お前何ともないのか?」

「何が?全然、何とも無いけど?どうかした?」

「・・・・・いや、別に」

「あは、変なの蛮ちゃん」

そう言って笑う銀次の笑顔に蛮は顔がほころぶ。

あぁそうか、もうこいつに惚れてるから恋惚香がきかないんだ。

これ以上好きになれないくらい、俺はこいつが・・・。

そしてこいつも俺の事を・・・?

「蛮ちゃん、どうかした?

あ、蛮ちゃんおなかすかない?俺もうペコペコだよ〜!」

「・・・そうだな」

「じゃあさ、何が食べたい?」

「・・・・・・・・・お前」

 

 

「・・・え?///

 

 

卑弥呼に結果報告してやろう。

恋惚香のお陰ではないけれど、

爪の先から髪の毛一本まで

美味しくいただくことができました、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コメント>

もう最後どうしたらいいのかわかんなくなってしまいました・・・。

しかも何回も卑弥呼を「ひもこ」とうつし。

恋惚香ってなんて読むのか悩んだし。

「レンコツコウ」にしようかなと思ったのですが。

なんか蛮銀のはずが少し蛮総受け状態だし。

すごい嫌なんですけど。

巻き返しで最後甘甘にしようとしたが失敗。

だめやな〜自分。

だれか感想ください・・・。

じゃないと恋惚香ばら撒くから!!!

バカか私(逃)

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