やっぱり、言わなきゃわかんないね

 

 

「ん・・・セン・・」

「宝児・・・・・」

「ん、や・・・・・っ」

センと・・するのは好き。

言うのは恥ずかしいけど。

・・・好き。

だって凄く気持ちいい。

頭がおかしくなりそう

でも、一つだけ嫌なことがあるんだ。

 

「宝児、大丈夫?」

もう既に服を着ているセンが、優しく俺を気遣う。

やったらやりっぱなし・・なんて男が多いこの時代

こういう男はなかなか居ない。

そんなとこにときめいてしまう俺は割りと重症だって自覚はある。

でも、額にうっすらと汗をかいて、

羽織ったシャツの隙間から白い肌が覗いてる姿は、俺の胸を高鳴らせる。

かっこいいだとか、ステキだ、とかそういう言葉じゃ言い表せない。

好き、ただその言葉で全てが収まる。

好きだから、こんな風になるんだ。

でも、そんなことは今まであんまり言ったことが無い・

言わなくても、こいつはわかってくれるから。

俺の気持ちも、きっと全部和歌ってる。

変に大人びたセンは、そういうのには鋭いから。

ただ、そんなセンの悪い癖がある。

それは

 

「ねぇ、宝児。気持ちよかった?」

 

きた、と思った。

センは行為が終わったあと、この質問をいつもしてくる。

これが、俺の嫌いなセンの言葉。

だって、聞かなくたってわかるだろうよ、こいつなら。

反応を見てれば、きっとわかるはず。

俺はそういうのは素直に反応しているんだから、わかるに決まっている。

しかも、ほんとのことなんか口に出していえるはず無いだろうが。恥ずかしい。

なのに、センは聞く。

「ね、どう?宝児」

だから、俺はいつもの答えを返すしか無いんだ。

「そんなの、言えるか。ばか」

こつん、とセンの頭をつつくと、センはいつもとは反応が違った。

それどころか、くるりと後ろを向いて俺から顔を背けた。

「・・・セン?」

どこか様子のおかしいセンに声をかけても、センは振り返らない。

「・・おい、どうした」

「・・・別に・・」

「なんだよ、お前・・・」

「なんでもないったら」

「・・・・おかしいぞ、お前」

「・・んなことない」

おかしい、こんなセンはおかしい。

いつもセンは俺の前でこんな風な態度は取らなかった。

なんだって笑顔で全て話してくれた。

俺が聞けば、なんだってすぐに言ってくれた。

なのに、何が・・・

「セン、言わなきゃわからないだろ」

そう言えば、センは更に俯いた。

「それは、宝児のほうだよ」

「え?」

「・・言ってくれなきゃ、わからないよ」

「・・・・・・・何」

センの言葉の意味がわからない。

ハテナマークを浮かべつつ、とりあえずセンの表情を見ようとその顔を覗き込もうとした。

すると、急にセンが俺を押し倒した。

「な・・」

「宝児、言ってよ」

「な、なに・・・」

「ここは、感じる?」

「う、あ!」

急にわき腹を触れられ、さっきまでの感触が呼び起こされて俺は声をあげる。

それにも構わず、センは今度は胸の突起を押しつぶした。

「ん!」

ただ、怖い。

センの表情がわからなくて、嫌だ。

こんな顔してるセンに、触られたくない。

「あ、や・・・」

「何?わかんない」

「・・嫌だ」

「もう一回言って」

「嫌だ!!!」

そう叫ぶと、センは俺の上から体を起こした、

そして、また俺に背を向けてしまう。

「・・・・・・・・?セン・・?」

「・・・・・・・・・・・・」

「どうしたんだよ、セン」

「わかんないんだよ、宝児」

「何が・・・?」

「言ってくんなきゃわかんない。

俺、一人で突っ走って無い?

ホントに宝児はキモチイイ?

俺に抱かれて、感じてくれてるの?」

「セン・・・・!」

「言ってくんなきゃ、わかんない」

そんなことをセンが思っているとは。

なんでもわかってくれてると思ったら大間違いだったのだ。

「宝児の声で、全部教えてほしい。

好きなトコ、感じるトコ、何を考え何を思ってるのか、聞きたい」

そんなこと思ってるとは知らずに、俺は彼を切り捨てた。

それがセンを傷つけてて居ることなんか全然知らなかったんだ。

目の前の彼は、大人びてはいるけれど、まだ大人では無いのに。

言葉で言わなきゃ、伝わらないこともあるんだ。

恥ずかしくたって、変な意地があったって

それでも伝えないと、誰だって不安になるんだ。

男同士で愛し合っている、ただそれだけでも不安なのに。

センは、いつも惜しげもなく愛情を口にしてくれていたのに。

『宝児、好きだよ』

そんな甘く優しい言葉で、俺はいつだって安心できていた。

だから、今度は俺が伝える番なんだ。

そう思って、俺は謝罪の気持ちとともに、

精一杯の愛情を込めて、センの背中に後ろからそっと抱きついた。

「・・・?」

「セン、このまま聞いてくれ」

でも・・・うわ、恥ずかしい。

けど言おう、今日は。

ちゃんと、言葉にしてみよう。

「センとするの、ほんとはすっごくきもちいい。

っていうか・・・・大好き。

センのことも・・・・だい、すき」

「う、うそ!」

「嘘じゃないよ。

ほんと、気持ちいーよ・・・何も考えられなくなる。

もっと、激しく・・してもいいから」

「・・・ほ、宝児?」

「・・・・・・あの、奥のトコ・・・?

ゴリゴリってされると・・もー・・・やばい」

そう言って、わざと腰のあたりをセンに押し付けて軽く擦れば

「あのさ、俺の方がやばいよそれ・・・」

というセンの上ずった少し早口な言葉が返ってきた。

それに少し嬉しくなりながら、言葉を続ける。

「・・・・・センの、イく時の顔とかも・・たまんない。

ドキドキする。最高に・・・かっこよくて。

でも・・別に中に・・出しても・・・・・いい。

お前いつも俺に気をつかって、外に出すけど。

でも、嬉しーし・・・・気持ちいいから・・お互いに、さ」

「・・・・・・・俺、もー殺されるかも・・!」

センのドキドキが聞こえる。

俺も、すっごくドキドキしてるけど。

「耳元でなんか囁かれると、腰が・・ずくんってなる。

お前の声って・・すっごいエロいよな」

「・・・・・・あー・・・・もー」

センは頭をぼりぼりと掻いてから、真面目な顔で振り返った。

「あのさ・・俺をこんなにしてどうするの」

センがそう言って指差す先には・・・

「ご、ごりっぱで・・・」

「・・今更だよ、それ」

センはそう言って、俺の肩を人差し指で軽くつついた。

「?」

「・・いや、倒れてくんないかなって思って」

「倒して、どうする気」

「それも今更・・・・」

「わっかんないなぁ・・・?」

俺の少し意地悪な言葉に、ふにゃ、と表情を崩したセンが

しばらくの間の後で急に改まって正座をした。

そして、真剣な顔で言う。

「今、宝児とすっごくヤりたくて仕方ないので、ヤらせてください」

「・・・・・・・・ぷ!」

そういうのは、やっぱり別に言わなくてもわかるかも。

・・・その立派なやつ見たら、ね。

って言ったら、それもそうだね、と笑ったセンに今度こそ押し倒された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あとがき>

よくわからない小説第二弾。(第一弾は?)

なんかただ『奥の〜』が書きたかっただけ(笑)

ごしゅうしょうさまー・・・

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