<テツの観察日記>

 

 

最初は、確かにそう思った。

今となっては、全く馬鹿らしいことだったけれど。

それが、大間違いだって知った今の俺にとっては、ね・・・。

 

 

それは地球署に配属されてすぐの頃。

先輩たちの戦いを見て感動し、そして和解して結局地球署に住むことになった俺。

名前を覚え、デカベース内の施設を覚え、いろんなことを知らなければならないけれど。

そのなかでも最も大変なのは、人間関係の把握。

見たところ、バンさんはホージーさんが大好き。(友情か愛情かはわからないけど)

ウメコさんはセンさんとジャスミンさんが大好き。(こちらもどちらかはわからない)

ジャスミンさんは尊敬か敬慕かあるいはそれ以外の感情か何かをボスに抱いている。

センさんは誰に対しても公平で誰とでもそつなく付き合っているように見え・・・

んん?

いや、そうじゃない。

―――――― ホージーさんと、センさんは仲が悪い。

そう、思った。

だって、全く関わらない、お互いに。

視線を交わさない。

必要最低限のことは話さない。

お互いを見ない。

なかなか触れない、じゃれあわない。

 

わざとと言ってもいいほど、本当に関わらない。

 

だからだ。

俺がそう思ってもおかしくはないはず。

 

でもそんな俺の考えを、否定した人間が居た。

バンさんだ。

 

「いいかテツ。お前は何にもわかっちゃあいない」

 

「あの二人は、決して仲は悪くないんだ」

 

「よく・・・・見ておくんだぞ、テツ」

 

 

はぁ、と生返事をした俺に、バンさんは少し笑った。

今にわかるよ、俺だって最初はそうだったもん。

去り際にそう呟きながら。

 

それから、俺の観察の一日が始まった。

 

今日の朝、二人は挨拶を交わさなかった。

どうしてだろう?

やはり、仲が悪いんだ。そうに違いない。

 

朝礼。

ミーティングは、各自自分の好きな場所に座る。

必ず対角線に座る二人は、やはり仲が悪いのか。

その上、全く目を合わせない。わざとらしいくらいに。

どうして?

 

その2時間後。

ホージーさんに纏わりつくバンさんを、センさんが引き剥がしてあげた。

バン、俺には纏わりつかないくせにたまには俺にしといたら、センさんはそう笑った。

んん、バンさんの取り合い?

やはり仲が、悪いのか。

 

事件発生。

二人とも全く視線を合わさない。

けれど、この息のあったコンビネーションはなんだろう。

全くお互いを見ていないのに、まるでお互いの動きがわかるかのようだ。

不思議。やっぱり仲がいいのか?

 

デカベースに帰ってすぐ。

今日の勝利に喜びはしゃいでいるバンさんを、ホージーさんが怒鳴る。

いつも廊下は走るなと言っているだろう!怒りモード全開のホージーさんを

まぁまぁホージー、今日は許してあげなよ、ね?ね?

にっこり笑顔であっさり戒めてしまうセンさんは、実は凄いかも。

「センちゃんがそこまで言うなら・・・・」

そこまでって、そこまで言ってないです・・・影の実力者?

でもホージーさんの苦い顔を見る限り、ホージーさんはセンさんが苦手なのかも。

ああ、やっぱり仲が悪いんだ。

 

そしてお昼。

一緒にお昼行こうと沢山の女の子から誘われているセンさんを凄い剣幕で睨むホージーさんの姿を見た。

うわぁ、怖い。

きっと女の子を取られて不機嫌なんだろう。

だから、この二人は仲が悪いんだろうか?

 

また事件発生。

今度は一言。

「センちゃん」

「うん」

そのやりとりで、敵を追い詰めてしまう、この二人はやっぱり名コンビ?

 

そして夕方。

ウメコさんに仕事を教えているホージーさんを見た。

そしてそのお二人の間に急に割り込んできて、

自分が教えるとホージーさんを一瞥したセンさんは笑顔なのに何故か怖い。

何故か?

 

やっと一日が終わる。

そうして、俺の観察も終わった。

結果は、・・・わからずじまい。

困ったなぁ・・俺がそう思いつつ、二人を見た、その時。

ふいに、視線が二人の間に通った。

それは今日初めてのことで、でも普通のこと。

なのに、なのに・・・。

 

あれは、何だ?

 

一瞬目が合っただけで。

それは普通ならごく普通のことで。

なのに、この二人は。

この、二人ときたら!

 

 

雰囲気が、変わった。

それまでのピリピリしたプロ、といった空気が

 

優しく、

 

そして

 

 

 

凄く

 

 

 

 

 

 

甘く。

 

 

 

 

 

 

なんで、二人ともそんな目をするんですか。

 

優しい目。

愛しいものを見るような、甘い視線。

 

これを、見たものなら一瞬にして二人の間にあるものがわかるだろう。

 

 

ああ、この二人は。

この二人と――― きたら!!

 

そうして。

俺は、やっとこの二人の間柄が、やっとわかった。

 

なんて俺は馬鹿だったのだろう、ナンセンス!

 

仲がいい、なんてものじゃあない。

親しい間柄、なんてもんでもない。

信頼、を超えて

それよりも、もっと、もっと、大切だと。

 

 

 

何よりも

 

他の誰よりも

 

――――――――――― スキ、だと。

 

 

 

先ほどの報告書の訂正。

 

―――――― ホージーさんと、センさんは・・・・・ナンセンス、な間柄、で。

 

今日の朝、二人は挨拶を交わさなかった。

それは、きっと俺たちに会うその前から二人は会っていた。

同じ朝を迎えたって、こと。

つまりは、つまりは、・・・そういうこと?

 

朝礼。

ミーティングは、各自自分の好きな場所に座る。

必ず対角線に座る二人は、きっと近くに居たら感情が溢れて皆にばれてしまうからそこに座る。

全く目を合わせないのだって、同じ理由。

この二人も、実は結構大変だ。

 

その2時間後。

ホージーさんに纏わりつくバンさんを、センさんが引き剥がしてあげた。

ああ、もうわかってます。

これって・・・嫉妬ですね?

 

事件発生。

二人とも全く視線を合わさない。

けれど、この息のあったコンビネーションはなんだろう。

全くお互いを見ていないのに、まるでお互いの動きがわかるかのようだ。

否、わかるんだ。

この二人の間柄なら、そんなこと朝飯前なんだ。

 

デカベースに帰ってすぐ。

今日の勝利に喜びはしゃいでいるバンさんを、ホージーさんが怒鳴る。

いつも廊下は走るなと言っているだろう!怒りモード全開のホージーさんを

まぁまぁホージー、今日は許してあげなよ、ね?ね?

にっこり笑顔であっさり戒めてしまうセンさんは、実は凄いかも。

「センちゃんがそこまで言うなら・・・・」

そこまでって、そこまで言ってないです・・・愛の力?

でもホージーさんの苦い顔を見る限り、ホージーさんはセンさんの言うことなら何でも聞いてしまうのかな?

ああ、やっぱり・・・愛って、偉大。

 

そしてお昼。

一緒にお昼行こうと沢山の女の子から誘われているセンさんを凄い剣幕で睨むホージーさんの姿を見た。

うわぁ、怖い。

きっと女の子にセンさんを取られそうで怖いのかも。

ヤキモチを妬くホージーさんって、意外と可愛い。

 

また事件発生。

今度は一言。

「センちゃん」

「うん」

そのやりとりで、敵を追い詰めてしまう、この二人はやっぱり名カップル?

 

そして夕方。

ウメコさんに仕事を教えているホージーさんを見た。

そしてそのお二人の間に急に割り込んできて、

自分が教えるとホージーさんを一瞥したセンさんは笑顔なのに何故か怖い。

何故か?その答えは、またも嫉妬。ウメコさんにまで・・・?

 

視線を交わさないのはきっとその甘い空気を皆に知られたくないから。

必要最低限のことは話さないのは話せばボロがでるから。

お互いを見ないのは見たら感情が溢れてしまうから。

なかなか触れないのは触れたら止められなくなるから。

 

関わらないのは、―――― 逆に、大好きだから。

 

ということで。

全くもって馬鹿らしい。

この、バカップルの観察なんて、もう、こりごり。

 

あてられて、あてられて、堪ったもんじゃ、ないからね。

全くもう、ナンセンス・・・!

 

<テツの観察日記、終>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<おまけの観察日記>

・・・・・・見るつもりは無かったんですけど!

でもあんなとこでシテる二人が悪いんです!

バスルームを開けようとしたら、甘い吐息。声。

思わず覗いたら・・・・・・・・・・ひえ。

この先を書くと、燃やされそう。

だって、だって・・・センさんが・・・・・・・・・!

 

―――――― ナンセンス!!!

 

<終>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あとがき>

ひえー考えてたものと大分違うものができたよー。

でもずっと書きたかったの!誰かの視点の緑青。

あああ・・・おかしい。

あの、駄作品で申し訳ないですがいつもお世話になっているAさまへ

遅くなりましたが前にお約束したお誕生日プレゼントvです・・・(遅いよ!!!)

確か緑青←白ってリクエストだったと思ったんですが・・違かったらおっしゃってくださいませ^^;

では。

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