もっと、もっと

 

 

 

「俺さ・・・こうやって宝児にちゃんと触れるようになるまで

君ってケーキみたいな甘い香りがするんだと思ってた」

「・・ぷ・・・何だそれ。

それを言うなら俺もお前は汗なんてかかないと思ってた・・けど」

「けど？」

「すっごい汗くさい」

「ひっど〜」

「でも、やっぱりお前も男だなぁって」

「あ〜俺もそう思った。宝児はちゃんと男の子だよね。こことか？」

「・・・っ・・・スケベ」

 

 

「あとね、俺宝児って舐めたら甘いと思ってたよ」

「で、実際どうだった？」

「ん〜と・・・しょっぱいかな」

「ん・・・そこばっか」

「でも・・・そこは甘いと思う」

「むぐ・・・」

「宝児とキスすると甘いんだよ」

「っ・・・！」

「やっぱり甘い・・・」

 

 

「俺はな、お前はいつも余裕たっぷりで余裕なくすなんて無いと思ってた」

「そう？」

「でも・・・この顔。信じられないな」

「・・人の顔じろじろ見ないでよ」

「余裕のかけらも無いお前なんて誰も想像できないだろうな」

「そんな余裕無く見えるかな」

「余裕無いってわかるのは俺くらいだろうけど」

「宝児だけ？」

「そう・・俺だけ。俺だけの顔」

 

 

「あと俺は自分がこんなに醜いと思ってなかった」

「宝児は醜くなんか無いよ」

「醜いよ。お前の周りの人間が時々いらないと思ってしまう。

この世界に、もうお前以外は・・・いらないって。

地球を守るＳＰＤなのに、な」

「それは俺も同じ。宝児と世界に二人きりだったらいいのにって」

「あー・・醜い」

「醜くてもそんな宝児が俺は嬉しい」

「・・・俺もそんな自分が嫌いじゃない・・人間みたいで」

「人間みたい？」

「どんなに忙しくたって、苦しくったって、

そういうこと思える自分がちゃんと心がある人間だなって」

「こんなにドキドキしてる人が人間じゃないはずないでしょ」

「・・・お前が教えてくれたんだな・・・俺が生きてるって証を。

お前に触れて、俺は人間に戻れるよ」

「じゃあ・・もっと触れて」

 

 

「俺はね・・自分がこんなにも弱いってはじめて知ったよ」

「弱い？」

「俺、宝児が居ないと生きていけない」

「俺が居ないと死んじゃうのか」

「死んじゃうよ・・・苦しくて、息ができなくて・・・」

「じゃあ俺がいつもお前の傍に居てやらなきゃな」

「そんなんじゃ足りない・・・もっと、もっと・・・・」

「これでも・・・？」

「もっとだよ・・・もっと、もっと」

「わ・・・苦しい、セン」

「もっと強く、抱きしめて・・・」

 

 

「宝児がね、こんなに可愛いと思ってなくて、びっくりした」

「・・・ぁ・・集中しろ・・・」

「仕草も、声も、表情も、あと・・・感じてる顔も声も・・・全部可愛くて・・・」

「男に可愛いは、ないだろ・・・」

「じゃあ・・・エロい、かな」

「何、それ・・」

「宝児の全てが俺を欲情させるんだ」

「ア・・っ・・・・・」

「宝児が俺の、性感帯だ」

 

 

「俺・・・こんなにお前に溺れてるだなんてみっともない・・・」

「俺のほうがもっと君に溺れてるからみっともなくなんてないよ」

「お前にこんなことされてこんなに気持ちいいだなんて・・・」

「俺も、凄く気持ちいいよ・・・」

「きっと、もっと・・・・・知らないことがあるんだろうな」

「そうだね・・・もっと君のことが知りたい」

「もっと？」

「もっともっともっと」

「じゃあ・・・知ってるか？」

「え？」

 

「俺、お前が・・・・凄く好きなんだ」

「・・・・・・・・・・知ってるよ・・・・」

 

 

「宝児こそ、知ってる？」

「・・何を」

「俺のほうが、もっと君の事が好きで好きで仕方ないって事」

「・・・・・知ってる」

 

 

 

 

 

 

「もっと宝児のことが知りたいよ」

「俺も、もっと、もっと知りたい」

「底が無いね・・」

「一生知り尽くすことなんかできなくたって、止め金なんてないな」

「いくら知ったって、満足なんかしないね」

「・・・しないな」

 

 

もっと、知りたくて

もっと、欲しくて

もっと、近づきたい

 

 

もっと、もっと・・・

 

 

――― 君は、僕の永遠の謎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

＜あとがき＞

なんだこれ〜。

どうしよう・・・！

うん、わかってる。

最近こればっかりだ〜。

パターンが似てきたなぁ・・・。

ほんとすいません！！！

不意にこの会話が浮かんできたので書いちゃいました。

あ〜ごめん・・・。

っていうか背景！！！