「幸人さん・・・」

「・・・っ」

俺は今、幸人さんの部屋の中にいる。

もう深夜だし、皆はもうすでにぐっすり眠っている事だろう。

だけど俺はなかば強引に幸人さんの部屋に入った。

最初は嫌がる(ふり?)幸人さんだったけど、

俺が大きな声を出しますよ!と脅したら

仕方ないな、という顔をして。

幸人さんはクールな顔してるけど、そゆとこ甘いよね。

ま、それで今俺に押し倒されて、こういうことになってマス。

「りょ・・・っ、ぁ」

息が出来なくて苦しそうに喘ぐ幸人さんに、

俺はまた角度を変えて深くその唇を味わう。

背中を叩いて、降参の合図をする幸人さんは顔とかもう真っ赤で、苦しそう。

でも時折漏れる声は切なげで、妖艶。

まだまだそんな声を聞いていたかったけど、あんまりつらそうだからヤメた。

俺の下ではぁはぁと肩で息をする幸人さんは、どう見ても誘ってるとしか思えない。

あぁ、やっかいな人に惚れちゃったよ。

この姿が無意識だから、やっかいな訳で。

「・・・りょ、うが?」

その姿に見惚れて動かない俺を、幸人さんは少し不安げに見上げる。

いや、これは、もう。

・・・・・・・・・限界。

「幸人さん・・・」

これ以上ないくらい優しく囁いて、好きです。

とどめに一発そう言ってやった。

俺の真下で幸人さんの顔がさっきみたくみるみる赤くなっていった。

可愛いなぁ・・・。

男、そんなのはもちろん、わかってる。

でもこの人の意地っ張りで優しくて頑固で素直で純粋で妖艶で。

そんなところに惹かれた?

いや、でもそんなんじゃまだまだ足りない。

簡単に言えば・・・この人の全てが、俺の魂みたいなのを揺さぶった、みたいな。

よくわかんないけど。

理屈じゃないよ、この気持ちは。

とことん・・・大好き。

「幸人さんの全部が欲しい・・・」

「凌駕・・・」

覆いかぶさってきた俺の、今しようとしてることを幸人さんは

敏感に感じ取ったらしく少し体が硬直している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん????

「幸人さん」

「なんだ」

「これなんですか」

「足」

「わかりますけど」

「じゃいいだろ」

「よくないです」

「何で」

「邪魔です」

「邪魔してるんだ」

「なんでですか!!!」

「何でも、だ」

そう、幸人さんは片足をまげて俺と幸人さんの体の間に挟み込んでいる。

やんわりとこれからの行為の拒否を現しているのだ、この足は。

「まさか・・・・・嫌なんですか?」

「嫌だ」

ここまできて、ここまできてそんなこと言うのかこの人は?!

もう限界なんです抱きたいんです無茶苦茶にしたいんです。

なのに・・・!

「もっと素直になってくださいよ〜幸人さん!」

「素直に嫌だと言ってるだろう」

「こっちはどんだけ我慢してたと思うんですか?!」

「そんなに我慢してたのか、知らなかった」

「じゃ〜!いいでしょ・・」

「だ・め・だ」

可愛く区切って言ったってその可愛い唇からでた言葉がそれじゃ・・・。

『き・て』ならOKなのに!

『し・て』、いやもしくは『さ・せ・て』とか。

・・・・・何を?

「嫌なもんは嫌だ。重いから退け」

退け、だって。

ひどいよぉ〜!ゆっきー!

呼び方が変わるほどショックなんですけど・・・。

でもここで負けるわけには行かない。

俺だって男だし

幸人さんだって男だけど。

あれ?・・・・・・・・男同士って、どうやるんだ?

そんな、肝心なこと・・・わかる訳ないじゃん!

俺普通に女の子が好きだし。

でも幸人さんは例外ね、可愛いし。

だから!どうやって知るんだよ?!

これからは『サブ』とかいう雑誌も読まなきゃいけないんだ。

幸人さんのためだと思えば頑張れるけど。

でも・・・

でも・・・この、つまり熱?はどうすればいいんですか?

あんまり幸人さんが可愛いからつい興奮してしまったのに。

コレ、非常にやばい。

やだぞ俺。一人でトイレで寂しく?

・・・やり方わかんなくても、もうちょっと押してみよう。

もしかしたら、に賭けて。

「幸人さん・・・俺もう、限界なんです。

幸人さんが、すごく欲しいんです。何でそんなに嫌がるんですか?」

とびっきり、悲しそうな顔をした。

そう、まるで怒られたときのアスカさんみたいに。

この人はこういう顔に母性本能?いや父性本能??みたいなを感じてしまうのか

少し優しくなるときがあるのだ。

そこにつけ込んで見た。

そうでもしなきゃほんと無理っぽいし。

すると幸人さんの表情が少し緩んで俺の顔をじぃっと見たのだ。

そして、顔を背けて口を開いた。

「噂によると・・・めちゃくちゃ痛いらしい」

「は?!」

「・・・こんなのを・・・?冗談じゃない!」

「あの〜?もしもし?」

「恥ずかしいし痛いし、こいつは絶対嫌なことばっかり言っていじめるんだ。

俺は今日はそんなのごめんだぞ!すごい疲れてるんだ」

「幸人さん、それ誰に・・・」

「ネットだ!ネット。誰かに教えてもらうハズないだろう」

それもそうだ・・・。

でも、っていうことは。

幸人さんはわざわざネットで調べて。(そんな幸人さんは想像できないけど)

俺とそういうことになるってことを少しは考えてくれてて。

それでも俺を避けたりせずに夜中部屋に入れてくれて。

信用、してるとか?そんな感じなのかな。

でもその事がすごい嬉しい。

俺ばっかり一人でそういう事考えてた訳じゃないんだ。

一人でにやけてると、幸人さんのでこピンを食らうことになる。

「一人でにやにやするな!気持ち悪い・・・」

気持ち悪いって・・・。

ま、いいんだ。

幸人さんは結構俺との事考えてくれてるのがわかったし。

なんだ、俺結構幸せかも。

「幸人さん。今日はまだわからないことだらけで幸人さんを傷つけるの嫌だから、今日はやめます。

でも俺、頑張って勉強して、いつか必ず幸人さんを・・・喘がせる!」

「馬鹿なこと言うな!!!いつだってそんなことはさせないからな!」

「じゃ今!」

「阿呆!!!」

「もう、わがままなんだから。じゃ、予約入れておきますね」

そう言って俺は幸人さんの首筋と、腕と、頬っぺたに強く吸い付いてキスマークをつけた。

幸人の白い肌は赤がよく映える。

有無を言わさず凌駕は満足いくまでそこを貪った。

それだけでうろたえてまた赤くなる幸人さんが可愛くて、おまけで手のひらにもキスを落とした。

「これで、貴方は俺のもの、です。幸人さん・・・。世界で一番、愛してます」

「・・・凌駕」

クサかったけど、俺の愛を受け止めてくれる?幸人さん。

しかしてっきりまた赤くなると思った恋人は今度は何故か青くなっている。

「どうかしました?幸人さん?」

「・・・〜っ!!!おまえなぁ〜!!!!!」

 

「見えるトコにばっかり付けやがって!!!」

「あ。」

 

次の日から幸人は、タートルネックのインナーの上から夏なのに長袖を着て、

頬っぺたには絆創膏という変なスタイルで仕事に出てくるようになった。

その印が消える頃にはこの幸人に散々殴られた頬っぺたのアザも治るかなぁ・・・。

凌駕は未だにヒリヒリ傷む両方の頬っぺたをさすりながら、

夢のまた夢である幸人との甘い夜を思い描くのだった。

 

・・・幸人の恨めしい視線を一身にあびながら・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コメント>

ただ、アレです。

足で凌駕を止めるユッキーが書きたかっただけなのに。

なんでかこんなん長くなりました。

文才無い証拠です。

読み返したら一箇所『幸雄さん』になってた。

・・・・・・・・誰。

なんかイメージがぜんぜん合わないから。

ヤマもオチもイマイチ。

これで801なのか?

んじゃそれで()

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