宝児くんの嫉妬

 

 

 

それはいつもの5人にテツが加わって仲睦まじく昼食を食べているときに起こった。

「センちゃん、それ食べたい」

「え〜仕方ないなぁ、じゃあバン、あ〜んして?」

「あ〜ん」

ぱくん。

「じゃあ俺もあげる、このイカ」

「やった、ありがと〜」

「はい、あ〜ん」

「あ〜ん」

ぱくん。

「あ、センちゃんごめん、口の端に付いちゃったよ。取ってあげるから顔こっちに寄こして」

「ほんと?どこ?」

「ここ、ここだって」

「え?どこ?」

そうしてセンがバンの方に顔を寄せたときだった。

センの座っていた椅子が傾きすぎて、バンの方にわずかに傾いた。

それをバンが慌ててセンの体を両手で支えた。

格好を言うならばバンがセンの体を抱きしめて支えているような形。

ふと次の瞬間、バンは頬を掠めた光線に驚いて目を細めた。

自分の横を凄い速さで通っていったのは、見慣れた青い光。

「あああああああ相棒・・・・・・・・・?」

そう、バンの目の前には銃を構えた名スナイパーの姿があった。

あまりの驚きで動けないバンにイライラしたのか、次にホージーは立ち上がってバンの後ろに進んだ。

そして・・・

 

バシ

 

バンは一瞬何が起こったかわからなかったが、自分の手が痛いところをみるとどうやら叩かれたようだ。

しかもその犯人は無表情で突っ立ている自分の相棒。

バンが痛さで反射的にセンから手を離すと、

ホージーはセンの椅子をちゃんとした安定した位置に戻し、バンの椅子とその椅子を思いっきり引き離した。

「・・・・・・・」

無言でその光景をじっと眺めた後、ホージーは少しだけ満足げな顔をしてまた自分の席に戻る。

皆も無言でそのホージーの行動を見守った後、また黙々とご飯の続きを始め(るしかなかっ)た。

その後しばらくは何も変わったことはなく、また元の和やかムードが戻ろうとしたその時。

今度はテツが机の端に置いてあった自分の麦茶を運悪く零してしまった。

しかもテツのすぐ横には(ホージーが引き寄せたため)センが居て、

そのセンにも麦茶の雫が届いてしまい、テツは慌ててそこらにあった台拭きでその麦茶を吸い取ろうとする。

「す、すいませんセンさん!大丈夫ですか?」

「あぁ、これくらいなんてことないよ」

「いや、そんな!こんなに濡れてますよ!俺が拭きますから」

「いいって、拭かなくたって・・・」

「いいんです、遠慮しないでください」

責任感からテツはそう言って台拭きでセンの体中を拭き始めた。

腕、足、胸・・・。

大分広範囲に渡って濡れてしまったため、テツは無我夢中でそのセンの体を拭く。

そして、手・・・にテツが触れようと思ったその時だった。

 

バシャ

 

一体、何が起こったのかわからなかった。

が、目の前のセンが頭からしとしとと雫を垂らしてることにやっとテツは気づいて回りを見渡す。

すると、真正面のエリートと呼ばれるその人物が、鋭い目でこっちを睨んでいることに驚いて息を呑んだ。

「あぁ・・セン、すまなかった・・手が滑った」

その台詞で、ホージーがどうやら自分の麦茶をセンの頭目掛けてかけたらしいことに気づく。

しかもどうみたって手が滑ってかかる距離じゃない、絶対ワザとだ。

(怖い・・・・)

テツはそう心の中で呟きつつ、ホージーによってびしょびしょにされてしまったセンの哀れな姿を見る。

あまりの量をかけられたため、もう顔にまで雫が垂れ落ちてきている。

「あ〜あ、センさん、目に入りますよ?」

そう、それはただの好意だった。

テツは自分の腕の裾でセンの目の辺りの雫を吸い取ってやろうとした、その瞬間。

自分の腕が誰かに掴まれたのがわかった。

そして、目の前に広がる茶色の髪。

テツはようやくその目の前に居る人物があのホージーで、センの顔を両手で掴んでいる、

そのことはわかったが、何が起こっているのかテツからは見えないため、

バンや他の皆には見えているはずだと思い周りを見渡せば、

ジャスミンとウメコは見ないようにと後ろを向いていて、

バンはその光景を見てしまったためにショックで失神寸前だった。

テツは何とかしてその光景を見ようと顔をずらしてみて、その目の前で起こっている出来事に目を疑った。

 

あの頭脳明晰で真面目でクールビューティーなホージーが

センの目の上に唇を寄せてその雫を舌で吸い取っている妖艶な光景。

 

そしてそれが終わると、ホージーはセンの首根っこを掴んでセンを立たせた。

「セン、俺が麦茶をかけてしまったんだからお風呂に入れてやる、来い」

「え、ちょ、ちょっとホージー」

「なんだ?何か文句あるのか?それとも俺よりもバンとテツのがいいって言うのか?」

「・・そんなわけないじゃん」

「じゃあ来い」

そう言いながらホージーはセンを自分の部屋へと連れ去っていってしまった。

残されたデカレンメンバーは、しばらく互いに顔を見合わせて何も言えないままご飯を食べ続ける。

しかし、ホージーの足跡が聞こえなくなった瞬間いっせいに口を開いて言った。

 

 

「「「「ホージー(さん)って嫉妬するとセンちゃんより怖いかも・・・・・!」」」」

 

 

そしてその後センちゃんに迂闊に触れるものは居なくなったとさ。

 

 

 

 

おまけ

 

「ホージー、あれ・・・もしかして嫉妬?」

「はぁ?何言ってるんだ?お前があんまりベタベタベタベタ他の奴に触らせるから、すっごいむかついて・・」

「・・・・(それが嫉妬なんだよ・・・?)」

「ん?何か言ったか?」

「ううん、何も」

「もう、あんなことするなよ?」

「うん、気をつける(でもこんないい思いするならまたしちゃいそうだな・・)」

「何お前にやけてるんだ、気持ち悪いな」

「気持ち悪いって・・・・酷いな〜。

でも、こんな密室でそんな事言っちゃっていいの〜?」

「・・・・あ」

「逃げられないよ?ほ・う・じv」

「ん・・ばか・・・ァ」

 

 

一方のバカップルは、初めての一緒のお風呂でご機嫌なのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あとがき>

危な・・裏にいくとこだった(笑)

宝児の嫉妬・・・そのまんま。

ちょっとどんなんだろって思ってて。

書いてみた。すっげ-早く書き上げてしまった。

ほんと面白くなくてすんません。

早くサイトの方の更新しろってな(笑)

拍手ばっか増えてくよ・・・・・・・・・・。

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