たなばた。
「わぁ、スワンさん!それ、どうしたの〜?」
スワンが買い物から帰るなり、そう叫んだウメコの声に、
デカルームに居た全員がドアの前に居るスワンを振り返った。
「ふふ、見てのとおりよv」
スワンは微笑みながら自分の身長の倍もある笹を皆に見えるように自分の前に置いた。
「わぁ、すっごい・・・!」
「どう?ドゥギー。今日くらいはこれ、飾っててもいいでしょ?」
「うむ・・いいだろう。それにしても、懐かしいな。昔はよくやった」
「でしょ?たまには童心に返ってみるのも悪くないんじゃないかと思って」
そう言ってスワンはにっこり微笑んで自分の横の笹を壁に立てかける。
「じゃ、お願い事書きましょ、皆で」
「わ〜面白そう!やったぁ〜v」
まず最初にそう反応したのはウメコ。
そしてそれに続いてバンが「俺も俺もv」とうきうきで笹に駆け寄った。
次いでジャスミンも、仕方ないわね、という顔をしながらも足取り軽く短冊の紙を用意する。
それを見たセンも、ホージーに優しい視線を送って、それを受けたホージーも渋々立ち上がる。
そして全員が笹の前に集まった。
「何書こうかな〜?」
「ウメコの書くことなんかわかるぜ!
足が細くなりますように〜、とか胸が大きくなりますように〜とかだろ」
「失礼ね、バンこそ私何書くか当ててみせようか?」
「何さ!当ててみろよ〜」
「さしずめ・・『相棒が相棒って呼んでくれますように』とか
『相棒が俺を認めてくれますように』とか・・あ、『好きになってくれるように』かな〜?」
「なななっ!ちっ・・違・・・!!!」
「慌てるところが怪しい〜」
「んじゃ、その短冊みせてよ〜!」
「だだだだ駄目だっ!!!」
「見せなさいってば〜!」
「はいはい、二人とも喧嘩しない。
喧嘩する二人の為に私は『世界平和』でも願おうかしら?」
「うわ、ジャスミン・・・もうちょっと個性的にいこうぜ」
「『世界平和』『無病息災』『家内安全』は常識でしょ?」
「家内って・・・・」
「ウメコは結局何にするの?」
「えっとね〜・・・『素敵な恋ができますように?』」
「あぁ、隣の彼と?」
「そう隣の彼とって・・バン!?」
「ウメコ・・・相手は選んだほうがいいよ」
「センちゃん酷いよ〜!!!」
「あ、センちゃんは何にしたの?」
「ん〜悩んだんだけど・・・やっぱりこれかなって」
「ん?『これ以上誰かさんを狙う誰かさんみたいな赤い男や白い男が増えないように』・・・」
「え〜?センちゃん、これどういう意味???」
「バン、貴方もう少し頭使ったほうがいいわよ・・・」
「えっと・・・じゃあホージーさんは?」
「・・俺は・・・・・・・・まぁ、普通に・・」
「ん〜?これまた怪しいなぁ〜!見せてよ、ホージーさん!」
「嫌だ」
「即答?!」
「ホージー、何書いたの?」
「センが気にすることじゃない・・・」
「ん〜何々?『皆でずっと一緒に戦えますように』?」
「ぼ、ボス!何勝手に見てるんですか!」
「あ、あぁ・・すまん。でも丁度見えて・・・」
「きゃあ〜ホージーさん、嬉しいv」
「お、お、お前らのことじゃない・・っ!」
「じゃあ、誰よ」
「うるさいな!」
「あ、でももう一枚あるじゃない・・」
「ばっ・・馬鹿!これは違う・・・」
「じゃあ、何よ」
「それは・・・・プライベートで、デリケートな問題だから・・」
「日本語英語はいいから!見せてよ〜」
「うむう・・敵はなかなか素直じゃない様子ですね、隊長」
「そうだな、バン隊員」
「誰が敵だ!」
「あ、じゃあ俺これを願おう『誰かさんが素直になってくれるように』」
「センちゃん・・・そんな安直な」
「あらでもいいかもよ〜意外と叶うかも。じゃああたしもお願いしてあげようかな〜?
『誰かさんがセンちゃんの願いを聞いてくれますように』って」
「ウメコまで・・・しかたないわね・・あたしも、書いてあげようかな。
『誰かさんが誰かさんへの想いをちゃんと伝えられますように』っと、できた」
「・・・くそう・・俺だって男だ。潔く書いてあげるか!
『素直じゃない誰かさんが今日くらいはちゃんと誰かさんとの事を素直に願えますように』」
「バン、かっこいいね!」
「相棒のためならなんでもしてやるさ!」
「お前ら・・・」
「よし、じゃあ俺達は退散としようか、皆」
「ボスもたまにはなかなか気が利く事言いますね〜」
「・・たまには?」
「じゃ、ホージー、これ置き土産」
「スワンさん?この短冊は・・『そして誰かさんの願いが叶いますように』?」
「ホージー、俺の短冊も飾っておいてくれないか」
「『そして皆仲良く、元気に、末永く幸せであらんことを』・・・ボス・・・・」
「じゃあね、お二人さん」
「頑張って、ホージー」
そしてデカルームにはホージーとセンが残された。
ホージーは俯いたまま中々何も言い出せなくて、そんなホージーをセンは優しく抱き寄せる。
「ねぇ、宝児?・・皆が願ってくれたことは叶うのかな?」
優しい口調に、ようやくホージーは顔を上げてセンを見る。
センも、その瞳を見返してにっこりと微笑む。
「叶うんじゃ、ないか・・?」
「そう?それは楽しみ。じゃあ宝児・・・、俺の本当の短冊のお願い、聞いてくれる?」
「え?」
そう言ってセンは、片手に持っていた短冊をひとつひとつ読み上げた。
ホージーは頭の上から降ってくる穏やかな声に耳を傾ける。
『大事な人がもう一人で傷つかないように』
『大事な人を俺がこの手で支えられるように』
『大事な人とこれからもずっと一緒に生きて行けますように』
『あと、一生のお願いです』
『大好きな人の一番になりたいです』
そこまで一気に読んで、センが一息つくと
腕のなかのホージーが小さく身じろぎしたので、センはきつく抱きしめていた腕を緩めてやる。
するとホージーはセンの顔をじっと見つめて、急ににやっと笑って言った。
「じゃあ、もうお前の願いは叶ってるんだな」
「・・・・・え」
呆気にとられているセンに、ホージーは先ほどの短冊をセンの顔の前にずい、と出した。
そして、少しだけ背伸びしてその紙の上からセンにそっとキスをした。
短冊は二人の間に挟まれてから、そのままひらひらとセンの足元に落ちる。
「彦星も、織姫も、拍子抜けしただろうに。馬鹿だな、お前は」
「宝児・・・」
「短冊に願うまでもない。お前の願いも俺の願いも一緒だ」
そしてホージーはセンの首に腕を回して、そっと耳元で囁く。
『大切な人をもうこれ以上なくさないように』
『俺を大事にしてくれる人を俺も守り通せるように』
『この世に生きている限り、一番大好きな人と一緒に居れるように』
「宝児・・・俺、すごく・・嬉しい」
「こんなものいらなかったな・・俺たちには・・・」
「きっと織姫様も彦星様も悔しがってる、俺達は一年に一度じゃない。ずっと一緒だから」
「あぁ・・・セン、俺を離すな」
「離すわけないでしょ・・・絶対離さないよ」
そして二人はどちらかともなく唇を合わせた。
長く、深く口付けあった。
「ついでに・・絶好調な彦星様と織姫様に『今夜は宝児が俺のベッドで一緒に寝てくれますように』って願おうかな〜」
「すぐ叶うような願いは止せ・・・」
「え・・・叶うんだ。じゃあ『今夜は二人で天国へいけますように』は?」
「・・・調子にのるなよ、ばか」
「じゃ『宝児が大好きで〜す・・・』」
「・・・それ願いごとか・・・・・?」
「『世界で一番・・愛してるよ』」
「・・・・『俺だって』」
そして二人で顔を見合わせて噴き出す。
おでこをくっつけあって、願いが叶いますようにと微笑んで。
まるで神聖な儀式のように、二人は手を取ってお互いの指を絡めながら祈りをこめた。
そして笹に隠れて、二人はそのまま3度目のキスをする。
ずっと一緒だと、何回も言って、笑って、二人は抱き合った。
何時までも、
何時までも・・・。
色とりどりの短冊が、二人を祝福するかのように揺れていた。
<あとがき>
ごめんなさい。(唐突に)
オチがない・・面白くない!
1日だけの限定ってことで許してください!!!
甘いし、わけわからなくて・・ギャグのはずなのにシリアスで。
すいません!!!!
もはや何も言うまい・・・さらば!
7・15 修正を加えたが変なのは全く変わらず(笑)
もはや笑うしかない・・・・。
拍手にUPします・・・。
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